森をつくる>相模湖・嵐山の森

FSCの理念を継承して活動

 相模湖嵐山の森は、神奈川県相模原市緑区相模湖にある私有林です。緑のダム北相模ではこの地主さんのご協力、ご理解のもと、この森で森林ボランティア活動を行なっています。対象地の面積は、約40haとなります。 この相模湖嵐山の森の主要樹種は、スギ:17.0ha、 ヒノキ:4.5ha、その他広葉樹等:18.9haとなっています。
 相模湖嵐山の森での森林整備は、緑のダム北相模の最も重要で基礎的な活動です。放置され、壊滅状態の日本の森に危機感を覚え、森林再生活動を始めたのが1998年でした。「森林破壊という負の遺産を子孫に残してはならない」という活動理念は、今日まで一貫しています。神奈川県の「水源の森林づくり事業」の「協力協約事業」を適用した間伐・枝打ち・下刈り、崩落地へのトチノキ植樹、伐採跡地の管理などを行なっています。緑のダム北相模では、この相模湖嵐山の森を「里山交流の森」と位置づけ活動を続けています。この森は2005年から10年間、FSC FM認証を取得しており、現在も同内容の森づくりを続けています。



 日本の人工林の多くは戦後の拡大造林政策で植えられたものの、その後の安い外国産の材木によって価格が低迷し、手入れがされなくなった場所が多く、この相模湖嵐山の森もそんな森のひとつでした。緑のダムではこの放置林をA地区、B地区、C地区、D地区と設定し、緊急間伐、枝打ちを行ってきました。A地区は巨木が多い美林で、2003年神奈川県の協力協約事業によって作業を行いました。B地区は嵐山頂上付近の地区で35年生林(7齢級の森)、2004年に同制度により作業を行っています。C地区はヒノキの多い地区で、8齢級の森で、2005年に同制度により作業、D地区は急斜面にスギ(8齢級)が植わっており、2006年に同制度で整備されました。さらにB地区は最近大学生のグループである学生連合(フォレストノバ)が作業しています。他にも、伐採跡地に広葉樹を植えモニタリングをしている場所や、巻き枯らし間伐といった試験的な取り組みをしている地区もあります。巻き枯らし間伐は通常のように樹木を伐倒しないため、簡便で安全性の高い方法とされていますが、まだ解明されていない部分が多いのも事実です。他にも、崩落跡地にトチなどを高校生が植えている「望星の森」と呼ばれる地区、中高生が中心となってGISを活用しつつ森林資源の管理を行っている「なみすけの森づくりプロジェクト」、生命の森宣言東京が取り組んでいる森などがあります。
 いずれの地区でも初心者からプロレベルの技術をもつ人まで「休まず、急がず、楽しく、無理せずに、そしてボチボチと…(作業を楽しむゆとりと、怪我をしない心構え)」をモットーに活動を続けています。

 本プロジェクトは2019年3月で定例活動を終了し、森林整備活動は知足の森、小手澤の森で継続しています。嵐山の森では、トチノキを植樹している望星の森を中心に不定期で活動しています。